喘息ってどういうこと?

【気管支喘息の正しい知識】症状や診断方法を全解説!のサムネイル画像

喘息は呼吸をするときに、呼吸困難とともにヒューヒュー、ゼーゼーという音が聞こえ、それらを繰り返す疾患です。ヒューヒュー、ゼーゼーは医学的には「喘鳴(ぜんめい)」と呼ばれます。この「喘鳴(ぜんめい)」は息を吐くときに聞こえてきます。気管支の壁が厚くなり、気管支内の直径が狭くなった結果、息を吐くときに、勢いよく空気がその中を通るために笛のようにヒューヒュー、ゼーゼーと音がするのです。
よく診療の中で、「ヒューヒュー、ゼーゼーしますか?」とお尋ねすると、保護者の方が「今もしています」とお答えになり、実際に聞くと喘鳴ではなく、喉で痰が絡まっている音だったり、鼻閉による音だったりすることも多いのが現実です。
これらの痰がらみの音、鼻づまりの音は喘息のゼーゼーとは異なるものです。ゼーゼーがいわゆる喘息発作の音なのか、痰がらみ、鼻づまりの音なのかを区別する必要があります。これによって治療方法が大きく変わってきます。
保護者の方からの痰がらみでゼーゼーするという訴えを医師は喘息のゼーゼーと勘違いしている場合が多く、喘息ではないのに喘息の治療がなされている場合があります。このような場合は、不必要な薬が処方され、内服していることになります。
喘鳴(ぜんめい)がひどい時には聴診器を使用しなくても、お子さんの胸や、口の近くに耳を持っていくとゼーゼーする音が分かりますが、本当に喘息発作の喘鳴(ぜんめい)なのかを判断する必要があります。
ポイントとしては、
●息を吐くときに音がするということ
●気管支が狭くなっているので、息を吐きづらそうにしていること
●息を吐く時間が吸う時間に比べ長くなっていること
などを参考にしてください。

3歳未満のお子さんの喘息の見分け方

また、3歳未満のお子さんはもともと気道が狭いため、喘息でなくても、風邪をひいて気管支炎になっただけでも、喘鳴(ぜんめい)が出現することがあります。これを「喘息性気管支炎(ぜんそくせいきかんしえん)」といいます。
3歳未満のお子さんを喘息であるかどうか診断するのは大変難しいのです。ゼーゼーする回数やそのほかのアレルギー体質を持っているか、アレルギー症状が新たにでてきていないかなど時間をかけて経過をみて、初めて喘息であるかどうかが判断できます。風邪をひいてゼーゼーしただけで、すぐに喘息と診断はできないのです。
一回ゼーゼーしただけで喘息と言われたとご相談を受けることがありますが、経過をみないとなかなか診断できないことをご理解ください。
小さいお子さんの喘息と喘息性気管支炎の鑑別のポイントはアレルギー症状を伴うかどうか、家族歴として喘息があるかどうかなどを参考にして診断します。

●食物アレルギーがある
●アトピー性皮膚炎、アトピー体質などのアレルギー疾患がある
●ご家族に喘息やアレルギー疾患の既往がある
※アトピー体質というのは、ダニ、ハウスダスト、動物の毛、フケ、カビ、花粉などの抗原(アレルゲン)に対して即時型アレルギー反応を起こす体質です。日本人では、年齢が低いほどアトピー体質は高率に認められ、小児喘息患者さんでは90%以上がアトピー体質を持っています。

気管支喘息のメカニズム

【気管支喘息の正しい知識】症状や診断方法を全解説!のサムネイル画像

気管支喘息の肺の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。気管支喘息では、気道の炎症、気道の過敏性の亢進(刺激に過敏に反応しやすくなる)、気道の狭小化(気道がせまくなること)の3つが起こっています。具体的に3つの状態をご説明します。

①気道の炎症
●ウイルスの感染(風邪など)
●アレルギーの原因になるダニ、ハウスダスト、カビ、動物の毛、フケなどの抗原を吸い込むこと
これらが気管支粘膜で免疫反応を引き起こし、アレルギー性の炎症反応がおこります。これが長期間続くと慢性的な気道の炎症が起こります。

②気道の過敏性の亢進
急に冷たい空気を吸い込んだり急に走ったりしたとき、また、大笑いした後や大泣きした後に喘息発作が出てしまう場合、気道過敏性が亢進していると考えます。①が原因で気道に慢性炎症があると気道の粘膜がいろいろなものに反応しやすくなります。通常の皮膚でも、炎症がある場所を触るとヒリヒリしたり、感覚が過敏になっていることが分かると思います。それと同様のことが気道にも起こっています。この気道過敏性がどの程度亢進しているかによって、喘息の症状の出やすさが変わってきます。つまり、重症度とかかわってくるわけです。

③気道の狭小化
喘息の場合気道が以下に挙げる原因から狭くなってしまいます。
●気管支粘膜が炎症によって腫れる(腫脹)
●痰が多量に出る(粘液栓形成)
●気管支の周りの筋肉が収縮する(気管支平滑筋収縮)
●炎症が繰り返されることによって気管壁が硬くなる(気管壁リモデリング)

このようなことから、気道が狭くなり、息を吐くときに、通り道が狭いために喘鳴が出現し、呼吸が困難になります。長期間の炎症が続くと気管の壁が硬くなったり、平滑筋という筋肉が分厚くなったりして、肺の機能が低下してしまいます。

小児期の喘鳴には的確な診断を!

小児喘息は小児期に、呼吸困難とともにヒューヒュー、ゼーゼーという音が聞こえ、それらを繰り返す疾患です。しかし、先天性の気道や心臓血管の異常に伴う喘鳴ではないか、気管支炎(喘息性気管支炎)、肺炎などの感染症による喘鳴ではないかなど本当に喘息なのかどうかを判断しなくてはいけません。
先程もお伝えしましたが、小児期の喘鳴はすぐに喘息と診断するのは難しいため、喘鳴の頻度、アトピー体質の有無、治療に対する反応性など様々なことを考慮し診断につなげていきます。かかりつけ医に通院し、的確な診断を受ける必要があります。小児期には喘鳴がでてもすぐに喘息という診断にはなりませんので、注意してください。

正しい診断はお子さんの健康を守る第一歩です。

関連するキーワード

白岡 亮平

キャップスクリニック 総院長
小児科専門医

アクセスランキング

昨日の「呼吸器の病気」に関する記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事