蕁麻疹(じんましん)ってどんな病気なの?

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蕁麻疹は虫刺されのような赤くかゆみを伴う発疹が突然出現し、ときに地図のように広がります。数時間で消失しますが、繰り返し出現します。

その多くは原因不明の特発性蕁麻疹(とくはつせいじんましん)で、食物などの原因が特定できる場合はわずかです。そのため、蕁麻疹が起こった場合には、その時の状況を詳しく確認することが重要で、その中で必要に応じて血液検査などを行います。特定の原因を疑う場合は、原因となるものを食べた(または触った)後、15~30分程度で症状が起こっていたり、過去に、同じような原因で蕁麻疹が出たことがある(再現性がある)場合です。その際は医師の上、検査、治療を受けてください。

治療は抗ヒスタミン薬とかゆみが強いところへ使う外用薬が基本になります。内服薬は症状が消失しても3〜5日は継続した方がよいでしょう。

蕁麻疹がでているときは運動や熱い風呂への入浴は避け、涼しいところで安静にするのが大事です。また、蕁麻疹が出ているところを保冷剤や氷で冷やすとかゆみが和らぎ、楽になります。

蕁麻疹は、ある種のアレルギー反応の一部の場合もあり、皮膚症状の蕁麻疹以外に、呼吸が苦しそう、声がかれている、ぼーっとしていて視線が合わない、声掛けへの反応が乏しいなどの症状を伴う場合があります。その際は、医療機関をすぐに受診しましょう。

蕁麻疹は、かゆみを伴う比較的境界明瞭なむくみと赤みのある発疹が出現します。多くにおいて数時間以内に個々の発疹はいったん消失します。発疹が出て、数時間ですぐに消えてしまうというのが大きな特徴になります。

発疹は虫刺されのような円形のものが多いですが、数mm程度から手のひら以上の大きさまでさまざまで、発疹自体がくっついて地図のようになることも多くみられます。いったん消失しても場所や時間を変えて繰り返し出現することがよくありますが、70%の人が1週間以内に治り、90%の人が1か月以内に治ります。しかし、1か月以上続くものもあり、それらを「慢性蕁麻疹(まんせいじんましん)」といいます。

蕁麻疹の原因は?

蕁麻疹はアレルギー性と非アレルギー性に分けられます。どちらも、症状が出現する仕組みは同じです。症状のきっかけは異なるものの、最終的には体のアレルギー反応に関与する細胞(肥満細胞)から蕁麻疹の症状を起こす物質(主にヒスタミン)が放出され、皮膚の血管周囲に「むくみ」や「かゆみ」を引き起こします。つまり、アレルギーの場合もアレルギーでない場合も、同じ発症の過程を通り、最終的に同じ症状として発症するため、皮膚の状態をみるだけでは両者を鑑別することはできません。

蕁麻疹の原因を特定する方法として、血液によるアレルギー検査の一つであるIgE抗体を測定する事もできますが、IgE抗体の上昇から原因物質が特定できる例は、5~10%以下と極めて少ないのが実際です。なお、アレルギー性蕁麻疹の場合、多くはそれを摂取、接触後15~30分以内に症状がでるため、その状況や、再現性(同じことが何度も起こること)から診断がつく場合が殆どです。

次に、アレルギーを引き起こす、または増悪に関連する物質、因子について説明します。

上に述べたように、蕁麻疹にはアレルギーの場合とアレルギーではない場合があります。アレルギーの原因としては、主に食べ物、薬物、植物、虫など(ほかにもアレルギーの原因となるものは多数あります)があります。しかし、実際アレルギー性蕁麻疹は蕁麻疹全体の数%にすぎません。

非アレルギー性に関しては、刺激誘発型つまり特定の誘因で引き起こされる蕁麻疹と、原因が特定できない「特発性蕁麻疹(とくはつせいじんましん)」があります。

刺激誘発型の蕁麻疹/その誘因について

非アレルギー性の蕁麻疹には、以下に挙げるようなものがあります。

◎ 物理的刺激:機械的刺激(ひっかく)、寒冷、日光、温熱、圧迫、水との接触によって、蕁麻疹が起こる

◎ コリン性:汗をかくことで皮膚の神経からアセチルコリンという物質が分泌され、蕁麻疹が起こる

◎ 仮性アレルゲン:豚肉、タケノコ、もち、山芋、トマト、バナナ、キウイ、パイナップル、なすなどを摂取することで、蕁麻疹が起こる

※仮性アレルゲンとは食物に体がアレルギーとして反応して、かゆみやぶつぶつを発生させるのではなく、食品そのものに含まれている物質が直接皮膚に作用して、アレルギーと同じ症状が出るものです。例えば、山芋で口の周りや皮膚がかゆくなる人が多いですが、山芋に含まれるアセチルコリンという物質が直接皮膚に影響を及ぼし、症状が出現します。そのため、触っただけで症状がでます。

◎ 薬剤、環境物質:仮性アレルゲンと同じように直接的に症状を誘発する

蕁麻疹を悪化させてしまう要因について

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蕁麻疹の病態に関与する因子として、以下に挙げるようなものがあります。このようなものが、発症や、症状の悪化に関与しています。

●ウイルス、細菌などの感染症
●疲労
●時刻(日内変動:夕方から明け方にかけて増悪)
●ストレス
●アトピー性皮膚炎(汗などのコリン性蕁麻疹に対して)
●食事中の防腐剤、人工色素など
●膠原病および類縁疾患
●その他内臓病変

蕁麻疹の原因はアレルギー性、非アレルギー性で特定される場合もありますが、蕁麻疹の約80%は原因がわからない「特発性蕁麻疹」になります。上記のような背景で風邪をひいていたり、疲労がたまっていたり、ストレスがたまっていたりなど、様々な原因が重なって蕁麻疹が起こることが多いのです。蕁麻疹で受診した際に「原因は何ですか」と質問し「はっきりとした原因はわかりません」と言われた経験があるかもしれませんが、それは特定の原因がつかめないからなのです。

蕁麻疹はどんな検査をするの?

多くの場合、原因が不明の特発性蕁麻疹であり、蕁麻疹のほとんどは、状況から診断が可能であり、急性の蕁麻疹では検査は積極的には行いません。

蕁麻疹が出ると、食物のアレルギーが特に心配で医療機関を受診される方が多くいらっしゃいます。これまでにもお伝えしたように、蕁麻疹において食物の摂取で、引き起こされる割合はごく一部です。

その中でも、検査をすることで、その原因がはっきりとする場合もあります。

検査方法としては、

①血液検査で特異的IgE抗体という各物質に対する免疫反応の値を調べる方法
②皮膚に原因の可能性となるものを塗るなど(プリックテストなど)して、蕁麻疹が起こるかを調べる方法
③原因となるものを食べて、実際に症状が起こるか調べる「負荷試験(ふかしけん)」
などがあります。

血液検査について、検査結果はあくまで参考程度として捉えてください。特定の食物の値が高かったとしても、それが原因であると断定することはできません。
これは、血液検査によるIgEが陽性であっても、症状が出ない人もいますし、逆にIgEが陰性でも症状が出る人もいるからなのです。

ただし、症状、発症の状況など踏まえて、血液検査の結果が有用な場合もあり、検査自体は安全ですので気になる方は医療機関へご相談頂くとよいと思います。

お子さんに蕁麻疹が出た場合は、よく観察し、食後どの程度で蕁麻疹が出現したかやアナフィラキシー症状はないかをみてください。蕁麻疹などの皮膚症状だけなら、食後15~30(60)分以内で出現することが殆どで、それが繰り返す場合には、食物アレルギーが強く疑われますので、是非、医師と相談して頂くとよいでしょう。

蕁麻疹はどうやって治療するの?

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原因が特定できた場合は、その原因除去を行いますが、上でも述べたようにそのほとんどは原因不明です。そのため、出ている症状に対して、治療を行います。その方法として、抗ヒスタミン薬の服用と、特にかゆいところにかゆみ止めの塗り薬を併用します。抗ヒスタミン薬は眠気の少ない第2世代を選択することが多いと思います。1回服用すると症状が消えることがありますが、症状が出たり引いたりが続くことが多いので、3〜5日は続けて服用することをお勧めします。

症状が長引く場合は1か月程度服用し、ゆっくり減らしていくこともあります。

アナフィラキシーについて

食物などの特定の物質によりアレルギーが誘発され、皮膚症状の蕁麻疹以外に体の広範囲に反応を起こし、重篤な状態(呼吸・循環障害)になる病態が「アナフィラキシー」です。

最重症の場合には「アナフィラキシーショック」となり、命の危険を伴います。

口や喉の違和感、かゆみ、胸の不快感、吐き気に続いて、皮膚が真っ赤になり、蕁麻疹や目の腫れ、唇の腫れ、声がれ、犬が吠えるような咳、ぜんそく発作、呼吸困難や嘔吐、さらに進行するとぼーっとしてきて、反応に答えなくなる意識障害をきたし、生命の危険がでてきます。

蕁麻疹以外に呼吸が苦しそう、声が嗄れている、ぼーっとしていて視線が合わない、声掛けに反応が乏しいなどある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

ホームケア:自宅でできること

規則正しい生活、十分な休養と睡眠、新鮮で添加物の少ない食事を心がけるとよいでしょう。蕁麻疹がでているときは運動や熱い風呂への入浴は避け、涼しいところで安静にするのが大事です。また蕁麻疹が出ているところを保冷剤や氷で冷やすとかゆみが和らぎ、楽になります。

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白岡 亮平

キャップスクリニック 総院長
小児科専門医

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