溶連菌(溶連菌感染症)ってどんな病気なの?

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溶連菌感染症は「溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)」というバイ菌の感染によって引き起こされる病気です。この「溶血性連鎖球菌」にはいくつかの種類が存在しますが、特に感染症を起こす頻度が高く、一般によく知られているのが「A群溶血性連鎖球菌」です。溶連菌感染症というのは、この「A群溶血性連鎖球菌」の感染によるものと考えてください。
「A群溶血性連鎖球菌」は、上気道炎、咽頭炎、皮膚や皮下組織などの感染症の原因菌としてよくみられるバイ菌の一つで色々な症状を引き起こすことで知られています。

溶連菌の感染で、日常よく見られる病気

溶連菌の感染で、日常よくみられる病気として
・急性咽頭炎(のどの炎症)
・膿痂疹(のうかしん:皮膚の炎症)
・蜂窩織炎(ほうかしきえん:皮膚の下の組織の炎症)
・しょう紅熱(しょうこうねつ: 全身の皮膚症状、関節の炎症、手足の痛みなどが出る病気)
などがあげられます。

上記以外にも
・中耳炎
・肺炎
・関節炎
・骨髄炎(骨の中の炎症)
・髄膜炎(脳やせき髄の周りに起こる炎症)
なども引き起こす場合があります。

また、直接菌が悪さをするのではなく、感染した人の免疫を介して、病気を引き起こすこともあります。

その代表的なものとして、
・リウマチ熱(炎症が関節、心臓、血管、神経等におこる病気)
・溶連菌感染後急性糸球体腎炎
などが知られています。

溶連菌に感染するとどんな症状が出るの?

発熱、全身倦怠感、咽頭痛といった症状が出ることが多いです。
診察上、喉には点状の赤い出血を認め、苺のつぶつぶの様な舌がみられることがあります。合併症として、肺炎、髄膜炎、敗血症、あるいはリウマチ熱、急性糸球体腎炎などが挙げられます。
※ただし、3歳以下の乳幼児や成人では典型的な症状があまり出ないことが特徴として挙げられます。

溶連菌はどんな治療方法があるの?

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溶連菌感染症は、抗生剤の内服で治療が可能です。抗生剤の治療においては、医師から指示された量、回数、日数を守って、確実に内服してください。
治療にはペニシリン系の抗生物質(サワシリン、ワイドシリン、パセトシンなど)を使用します。ペニシリン系の抗生物質にアレルギーがある場合にはエリスロマイシン(エリスロシンなど)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッドな ど)を内服します。

またセフェム系の抗生剤(メイアクト、フロモックスなど)などを使用することもあります。リウマチ熱、急性糸球体腎炎など、菌自体が悪さするのではなく、自分自身の免疫反応による合併症を予防することも、この治療の目的になります。少なくともペニシリン系であれば10日間、セフェム系であれば5日間は確実に内服することが必要です。
予防としては、溶連菌に感染している患者さんとの濃厚接触をさけることが最も重要ですが、手洗いなどの一般的な予防法を徹底することが重要です。

溶連菌の潜伏期間は?学校や保育園に行ったらだめなの?

潜伏期間は2-5日程度です。

溶連菌感染症は、学校保健安全法で指定された学校感染症の第三種にあたります。
第三種は学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性のある感染症を指します。

学校保健安全法第19条では、学校感染症にかかった場合、「校長は感染症にかかっており、かかっている疑いがあり又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる」と定めています。

この法律により、溶連菌に感染すると「出席停止」として扱われます。
各学校感染症には、登校基準が設けられており、溶連菌感染症の場合には、抗生剤の治療開始から24時間以上経過し、全身状態がよければ登校・登園が可能になります。
多くの地域では、登園・登校前に医療機関を受診し、医師の診断を受け、登園・登校許可証を持参の上、登園・登校するところが多いようです(※地域、施設によって異なるため、必ず許可証が必要なわけではありません)。

感染後に尿検査は必要なの?

溶連菌感染後に尿検査をしなくていいのかと患者さんから聞かれることが多々あります。というのも溶連菌に感染した後に体の中で免疫反応が起き、その結果腎臓に影響が出て「溶連菌感染後急性糸球体腎炎(ようれんきんかんせんごきゅうせいしきゅうたいじんえん)」という病気を発症することがあるからです。この病気は、「おしっこの量が減る」、「おしっこが茶色になる」、「顔や手足がむくむ」などという症状が出ます。

溶連菌感染後に尿検査をすることで、「溶連菌感染後糸球体腎炎」が早期発見できるかについては、賛否両論ありますが、溶連菌感染した患者さん全員一律に尿検査をする必要性は、あまり高くないと考えられます。

尿検査では、「血尿」「蛋白尿」があるかを検査しますが、それに加え、症状があるかどうかも診断では必要になるため、尿検査だけでは判断がつかないわけです。そして、治療が必要な「溶連菌感染後急性糸球体腎炎」は、症状として明らかな場合がほとんどです。

ただし、小さいお子さんの場合には、本人の症状の訴えがはっきりしないために、尿検査が有効になる場合もあるかもしれませんので、年齢、状況などに合わせて、受診した医療機関の医師の意見を聞きながら、尿検査の必要性を判断するのが良いでしょう。

「おしっこの量が減る」、「おしっこが茶色くなる」、「顔や手足がむくむ」といった症状が出ているかをしっかりと観察することがなによりも重要で、症状が出ていれば医療機関を受診し、診断や治療を受けることが必要です。

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白岡 亮平

キャップスクリニック 総院長
小児科専門医

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